徒然草百八十四段…
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作成日時 : 2005/11/24 19:38
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「相模守時頼〜」ですな。
昨日は緊急メンテとうっかり寝てしまった為、無し。地獄前なのに良いのかオイ…。
では、原文。
相模時頼の母は、松下禅尼とぞ申しける。守を入れ申さるる事ありけるに、すすけたる明り障子の破ればかりを、禅尼手づから小刀して切りまはしつつ張られければ、兄の城介義景、その日のけいめいして候ひけるが、「給はりて、なにがし男に張らせ候はん。さやうの事に心得たる者に候」と申されければ、「その男、尼が細工によもまさり侍らじ」とて、なほ一間づつ張られけるを、義景、「皆を張りかへ候はんは、はるかにたやすく候ふべし。まだらに候ふも見ぐるしくや」と重ねて申されければ、「尼も、後はさはさはと張りかへんと思へども、今日ばかりは、わざとかくてあるべきなり。物は破れたる所ばかりを修理して用ゐる事ぞと、若き人に見習はせて、心つけんためなり」と申されける。いとありがたりけり。
世を治むる道、倹約を本とす。女性なれども、聖人の心に通へり。天下を保つほどの人を子にて持たれける、まことに、ただ人にはあらざりけるとぞ。
次、和訳。
相模時頼の母は、松下禅尼と申しました。相模守を自分の所に招き入れられる事があったその折に、煤が付いて黒くなった障子の破れた所だけを、禅尼自ら小刀を持ってあちらこちら切り取って張られたのならば、兄の城介義景が、その日の接待の準備をして控えておりましたが、「そのお仕事は頂戴して、誰ぞの下男に張らせましょう。そのような事に得意な者で御座います」と申し上げた所、「その男は、尼(私)がやるよりも細工にまさか優っていないでしょう」と、そのままひとこまずつお張りになったのを、義景は、「全部張り替えたなら、(一つずつやるより)ずっと楽で御座りましょう。(新しい箇所と古い箇所が)混ざっていますのも見苦しくありませんか」と繰り返して申し上げたならば、「私も、以後はさっぱりと張り替えようと思いますが、今日だけは、こうしておくのがよいのです。物は破れている所だけを直して用いるのだと、若い人(時頼)に見習わせて、注意しようという為です」と申されました。世にも稀な殊勝な事であった。
世を治める道は、倹約を根本とする。女性だけれど、(その心は)聖人の心に通じている。天下を治めるほどの人を子としてお持ちになさったのは、本当に、普通の人間ではなかったという事である。
これ、ズバリ「倹約」だろうな。あと、執権になるような人間を生んだ母も、素晴らしい人格の持ち主だった、と。
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